個人再生の手続には、「小規模個人再生」と「給与所得者等再生」の2種類があります。
小規模個人再生は、将来において継続的に収入を得る見込みがあり、住宅ローンなどを除いた無担保債務の総額が5000万円以下である方が利用できる手続です。
これに対し、給与所得者等再生は、小規模個人再生を利用できる方のうち、給与などの定期的な収入があり、その収入の変動幅が小さいと見込まれる方が利用できる手続です。
給与所得者等再生では、再生計画案について債権者による決議を行わないなど、小規模個人再生とは異なる点があります。
どちらの手続を利用するかは、収入の状況、財産、借金の額や内容などを踏まえて検討する必要があります。
ここでは、個人再生のうち、小規模個人再生の一般的な手続の流れについて説明します。
1 裁判所への申立て
住所地を管轄する地方裁判所に、小規模個人再生の申立てを行います。
申立てにあたっては、申立書のほか、債権者一覧表、収入や財産に関する資料など、裁判所が定める書類を準備します。
2 再生手続開始決定
裁判所が申立内容を確認し、法律上の要件を満たしていると判断すると、再生手続開始決定がされます。
開始決定とともに、その後の債権届出や異議申述、再生計画案の提出などについて期限が定められます。
3 債権額の確認
開始決定後、債権者から債権の届出が行われます。
その内容を確認し、届出された債権の内容や金額に異議がある場合には、裁判所が定めた期間内に異議を述べることになります。
こうした手続を通じて、再生計画の前提となる債権額を確認していきます。
4 財産や収入の状況の確認
再生手続では、債務者の財産や収入の状況も確認されます。
小規模個人再生では、単に借金の額だけで返済額が決まるわけではありません。保有している財産の価値なども踏まえて、再生計画における返済額を検討する必要があります。
5 再生計画案の作成・提出
債権額や財産の状況などを踏まえて、「今後、いくらを、どのように返済していくのか」を定めた再生計画案を作成し、裁判所が指定した期限までに提出します。
返済期間は原則として3年間です。特別な事情がある場合には、最長5年間とすることができます。
再生計画案は期限までに提出する必要がありますので、余裕を持って準備することが重要です。
6 債権者による書面決議
小規模個人再生では、提出された再生計画案について、債権者による書面決議が行われます。
同意しない債権者が半数未満で、かつ、同意しない債権者の債権額が議決権総額の2分の1を超えなければ、再生計画案は可決されたものとされます。
そのため、法律上必要な返済額を満たすだけでなく、債権者による書面決議も重要になります。
7 再生計画の認可決定
書面決議を経た後、裁判所が法律上の要件を確認し、問題がなければ再生計画の認可決定をします。
認可決定が確定すると、再生計画に従った返済が始まります。
8 再生計画に基づく返済
認可された再生計画に従って、各債権者への返済を続けます。
再生計画どおりの返済を終えることにより、原則として、再生計画によって減額された残りの債務について免除を受けることができます。
手続にかかる期間について
個人再生の手続に必要な期間は、事件の内容や裁判所の審理状況などによって異なります。
実際の手続では、開始決定後に、債権届出、債権に対する異議申述、必要に応じた債権の評価、再生計画案の提出、債権者による書面決議、裁判所による認可・不認可の判断という順に進んでいきます。
裁判所から指定された期限までに必要な書類を提出することが重要です。
※上記は小規模個人再生の一般的な流れです。具体的な手続や必要書類、各手続の期限は、申立てをする裁判所や事件の内容によって異なる場合があります。
