個人再生では、再生計画が認可された後、原則として3年間にわたって返済を続けていくことになります。
そのため、裁判所としても、再生計画どおりに返済を続けていける見込みがあるかを確認する必要があります。
その確認のため、申立てをした後、一定額を毎月積み立てていくのが「履行テスト」です。
履行テストでは何をするの?
千葉地方裁判所では、個人再生の再生計画について履行可能性を判断する方法として、履行テストが行われています。
履行テストでは、再生計画で毎月返済することになると見込まれる金額を、実際に一定期間積み立てます。
たとえば、再生計画による返済額が月5万円になると見込まれる場合には、実際に毎月5万円を積み立てていきます。
千葉地方裁判所の資料では、積立ては申立てをした月から開始し、認可判断時まで継続する運用が示されています。また、再生計画案を提出する時と認可判断時の2回、積立てをしていることが分かる通帳の写しを提出することとされています。
なぜ履行テストをするの?
個人再生は、借金を減額してもらって終わりという手続ではありません。
裁判所から再生計画の認可を受けた後は、その計画に従って返済を続けていかなければなりません。
そこで、手続中から実際に積立てを行うことによって、
- 毎月の収入と支出の中から返済資金を確保できるか
- 無理のない返済計画になっているか
- 認可後も返済を継続できる見込みがあるか
を確認していきます。
いわば、個人再生後の返済を事前に試してみる期間と考えると分かりやすいでしょう。
積立額が途中で変わることもあります
個人再生では、財産の状況や債権調査の結果などによって、最終的な返済額が申立て当初の見込みから変わる場合があります。
千葉地方裁判所の資料でも、清算価値や債権調査後の負債総額が増加し、返済金額が変動した場合には、その後の積立額について裁判所から連絡することとされています。
そのため、最初に決められた金額を積み立てていれば必ず最後まで同じ金額になる、というわけではありません。
履行テストがうまくできないときは?
毎月の積立てができない状態が続けば、「再生計画を立てても、その後の返済を続けることが難しいのではないか」と判断される可能性があります。
そのため、個人再生を申し立てる場合には、借金をどのくらい減らせるかだけでなく、減額後の返済を家計の中から無理なく続けられるかを考えることが重要です。
履行テスト中に予定どおり積み立てることが難しくなった場合には、そのままにせず、早めに弁護士に相談してください。
3年での返済が難しい場合
個人再生の弁済期間は原則として3年間ですが、特別な事情がある場合には、3年を超え5年以内の期間で返済する再生計画を検討できる場合があります。
裁判所には、申立ての段階から3年を超える弁済期間を希望する場合、3年間では返済が困難である事情や、期間を延長すれば返済可能であることを、家計の収支や具体的な金額に基づいて説明する必要があります。
単に「今後の出費が心配」というだけではなく、具体的な収支をもとに検討することが大切です。
個人再生は「返済を続けられるか」の検討が大切です
個人再生では、借金がいくら減るのかと同じくらい、減額された借金を現実に返していけるのかが重要です。
当事務所では、現在の収入や生活費、住宅ローン、家族構成などを確認しながら、個人再生を利用した場合にどの程度の返済が必要になるのか、無理なく返済を続けられる見込みがあるのかを検討します。
個人再生を検討しているものの、「毎月いくら返済することになるのか」「自分の収入で個人再生ができるのか」と不安を感じている方は、お早めにご相談ください。
